「期限後申告したら加算税と延滞税で実際いくら取られるんだろう」——本税の金額別に具体的にいくらになるかを知りたくて、この記事にたどり着いたと思います。
結論から先に書きます。本税が30万円・自主申告・3ヶ月遅れのケースで、追加負担は約16,000円です。怖がっている人が多いですが、自主的に出してしまえば「給料1日分」程度の追加負担で済むことが多いです。
この記事では、フリーランス7年の私(自力で6年確定申告してきた経験あり)が、本税10万・30万・100万円のケース別に、加算税と延滞税の実額を計算してまとめます。「金額イメージが分からなくて怖い」を解消するためのリアルな数字記事です。
結論:基本の計算式と早見表
加算税と延滞税は、それぞれ独立した計算式で算出されます。
| 税目 | 税率 | 計算式 |
|---|---|---|
| 無申告加算税(自主申告) | 5% | 本税 × 5% |
| 無申告加算税(通知後) | 10〜15% | 本税×10%(50万円超部分は15%) |
| 無申告加算税(予知後) | 15〜20% | 本税×15%(50万円超部分は20%) |
| 延滞税(2ヶ月以内) | 年2.4% | 本税×2.4%×日数÷365 |
| 延滞税(2ヶ月超) | 年8.7% | 本税×8.7%×日数÷365 |
※ 延滞税の税率は2024〜2025年の参考値。毎年変動するため最新値は国税庁公表値を確認してください。
「2ヶ月以内なら2.4%、2ヶ月超なら8.7%」という2段階構成を覚えておけば、頭の中で概算できます。順を追って各ケースを計算していきます。
加算税の3パターンを正しく理解する
① 自主的に期限後申告した場合:本税の5%
税務署から指摘される前に、自分から期限後申告書を提出した場合の税率です。これが最も安く済むパターン。
さらに、申告期限から1ヶ月以内に自主提出し、過去5年間に無申告加算税・重加算税の処分を受けていないなど一定条件を満たすと、無申告加算税自体が免除されます。
② 税務調査の事前通知後・更正予知前:本税の10%(50万円超部分は15%)
税務署から「調査します」と通知が届いた後、ただし「申告漏れの存在を税務署が予知する前」に申告した場合。
「通知は来たけど、まだ具体的な指摘はされていない」段階で出す場合がこれに該当します。
③ 税務調査で更正予知された後:本税の15%(50万円超部分は20%)
税務調査が始まり、税務署が「ここに申告漏れがある」と把握した後に申告した場合。最も税率が高くなるパターンです。
税務調査が入った時点で慌てて申告するより、調査前の段階で自主申告する方が圧倒的に安く済みます。
延滞税の計算方法(2段階の税率)
延滞税は、本税を法定納期限から納付するまでの日数に応じてかかります。税率は段階制です。
段階1:法定納期限の翌日から2ヶ月以内 → 年2.4%
期限内に申告していれば本税は3月15日が納期限ですが、期限後申告の場合は申告書を提出した日が納期限になります。提出から2ヶ月以内に納付すれば、その期間は年2.4%。
段階2:2ヶ月を超えた部分 → 年8.7%
提出から2ヶ月を過ぎても納付できなかった分には、年8.7%の延滞税がかかります。「分納」している場合はこの段階に入りやすいので注意。
延滞税の正確な計算式
延滞税 = 本税 × 税率 × 日数 ÷ 365
例:本税30万円を90日延滞した場合(最初の60日が2.4%、残り30日が8.7%という想定)
- 段階1: 30万 × 2.4% × 60 ÷ 365 = 約1,184円
- 段階2: 30万 × 8.7% × 30 ÷ 365 = 約2,145円
- 延滞税合計: 約3,329円
期限後申告のケースだと「自主申告→即日納付」が多いので、延滞税はそれほど大きくならないパターンが多いです。
実額シミュレーション(本税10万・30万・100万円)
ここからが本題。3つのケースで、自主申告した場合の追加負担総額を計算します。
ケースA:本税10万円・自主申告・3ヶ月遅れ
前提
- 本税:100,000円
- 申告:自主的な期限後申告
- 納付:申告日に即日納付
- 遅れ:法定納期限から3ヶ月(約90日)
計算
- 無申告加算税: 100,000円 × 5% = 5,000円
- 延滞税: 100,000円 × 2.4% × 60/365 + 100,000円 × 8.7% × 30/365 = 約 395 + 715 = 約1,110円
追加負担合計: 約 6,110円(本税10万円の約6%)
本税10万円なら追加負担は給料半日分。怖がるレベルではありません。
ケースB:本税30万円・自主申告・3ヶ月遅れ
前提
- 本税:300,000円
- 申告:自主的な期限後申告
- 納付:申告日に即日納付
- 遅れ:法定納期限から3ヶ月(約90日)
計算
- 無申告加算税: 300,000円 × 5% = 15,000円
- 延滞税: 300,000円 × 2.4% × 60/365 + 300,000円 × 8.7% × 30/365 = 約 1,184 + 2,145 = 約3,329円
追加負担合計: 約 18,329円(本税30万円の約6.1%)
本税30万円のケースで追加負担は約1.8万円。これも「給料1日分」レベルです。私が2024年分の期限後申告をした時の追加負担は、この前後でした。
ケースC:本税100万円・自主申告・3ヶ月遅れ
前提
- 本税:1,000,000円
- 申告:自主的な期限後申告
- 納付:申告日に即日納付
- 遅れ:法定納期限から3ヶ月(約90日)
計算
- 無申告加算税: 1,000,000円 × 5% = 50,000円
- 延滞税: 1,000,000円 × 2.4% × 60/365 + 1,000,000円 × 8.7% × 30/365 = 約 3,945 + 7,150 = 約11,095円
追加負担合計: 約 61,095円(本税100万円の約6.1%)
本税100万円規模でも、自主申告なら追加負担は約6万円。元の本税の6%程度に収まります。
比較:通知後・予知後だといくら膨らむか
参考までに、税務署から指摘された後に申告した場合の同条件シミュレーション(本税30万円・3ヶ月遅れ)も計算しておきます。
| パターン | 無申告加算税 | 延滞税 | 追加負担合計 |
|---|---|---|---|
| 自主申告 | 15,000円 | 3,329円 | 18,329円 |
| 通知後・予知前 | 30,000円 | 3,329円 | 33,329円 |
| 予知後 | 45,000円 | 3,329円 | 48,329円 |
| 重加算税(隠ぺい認定) | 120,000円(40%) | 3,329円 | 123,329円 |
自主申告 vs 重加算税の差は約7倍。「税務署から連絡が来る前に出してしまう」ことの経済的メリットは絶大です。
重加算税の判定基準については別記事で詳しく書きました。
▶ 無申告で重加算税35%になるケース・ならないケース|「故意の隠ぺい」要件をフリーランス7年の私が解説
加算税が「ゼロ」になる救済規定
「自主申告で5%」が基本ですが、さらに条件を満たすと無申告加算税自体が免除されます。
免除の3条件(すべて満たす必要あり)
- 法定申告期限から1ヶ月以内に自主的に期限後申告書を提出
- 期限内申告をする意思があったと認められる(「うっかり」と認定される)
- 過去5年間に無申告加算税・重加算税の処分を受けていない
「うっかり」が認定される条件は、納付すべき税額の全額を法定納期限までに納付していること(ダイレクト納付・口座振替などで)。確定申告だけ忘れていて納税は済ませていた、というレアケースが想定されています。
現実的には、フリーランスのほとんどが「気づいたら数ヶ月過ぎていた」パターンなので、免除には該当しないことが多いです。それでも5%なら大したことないと覚えておけば十分です。
「自分で計算する」vs「税理士に頼む」のコスト比較
「自力で計算する自信がない」と感じる方もいるかもしれません。コスト感を比較します。
| 項目 | 自力 | 税理士依頼 |
|---|---|---|
| 時間コスト | 2〜5日(実働) | 資料整理1日+打合せ数時間 |
| 金銭コスト | 0円〜(会計ソフト代月1,000円程度) | 3万〜10万円(1年分) |
| 精神的負担 | 高い(自分で全部判断) | 低い(プロに丸投げ) |
| ミスのリスク | 中(経費判断ミス等) | 低 |
| 節税の最適化 | 基礎レベル | 高(プロの知識) |
私の経験で言うと、1〜2年分の期限後申告なら自力でも十分です。会計ソフトを契約して銀行口座・カードを連携させれば、計算は半自動化できます。
3年以上分の場合、または事業内容が複雑な場合は、税理士に頼んだ方が時間効率が良いです。
期限後申告の具体的な手順は別記事にまとめてあります
「金額の計算は分かったけれど、実際の手続きの流れが知りたい」という方は、私が実際に税理士に頼らず期限後申告した全手順を別記事で詳しく解説しています。e-Taxでの提出方法、必要書類、Step1〜Step5の進め方まで実体験ベースで書きました。
▶ 無申告を税理士に頼らず期限後申告した全手順|加算税・延滞税の実額をフリーランス7年の私が公開
計算と申告書作成を一気に楽にする会計ソフト
期限後申告で最も時間がかかるのは、過去の取引を再構築して帳簿を作る作業です。これを自力で表計算ソフトでやろうとすると、丸2-3日かかります。
私が2025年から使っているマネーフォワード クラウド確定申告は、銀行口座・クレジットカード・電子マネーまで全部自動連携。過去2年分まで遡って取引を取り込めるので、期限後申告用の帳簿も一気に組めます。
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まとめ:本税の6%を覚悟しておけば十分
この記事のポイントを整理します。
- 自主申告なら追加負担は本税の約6%(無申告加算税5% + 延滞税1%程度)
- 本税10万円なら追加6,000円、本税30万円なら追加18,000円、本税100万円なら追加60,000円が目安
- 通知後だと加算税が10〜15%、予知後だと15〜20%まで上がる
- 1ヶ月以内+条件クリアで加算税ゼロの救済規定あり
- 隠ぺい・仮装認定で重加算税40%になると本税の40〜50%まで膨らむ
- 1〜2年分なら自力、3年以上分は税理士依頼が時間効率良い
「金額が分からないから怖い」というのが期限後申告の最大の壁です。本記事の数字を見て、「これなら出せる」と感じていただけたら嬉しいです。
