個人事業主やフリーランスの資金繰りは、「どこで借りるか」だけでは決まりません。公庫・信金・保証協会・商工会議所などを確認しても、追加融資につながらないことがあります。私自身も、複数の窓口を回りながら、売上減と支払いの順番をどう立て直すかで悩みました。
この記事を読んでほしい人
・個人事業主として資金繰りに詰まっている
・公庫・信金・保証協会などを見たが次の手が分からない
・売掛金、帳簿、サイト売却、案件獲得のどれを見るべきか整理したい
この記事では、個人事業主やブロガーが資金繰りで詰まった時に、公的窓口、金融機関、会計整理、ファクタリング、サイト売却、案件獲得をどう分けて見るかを整理します。
借り入れや転職だけでなく、運営しているブログ・サイト自体を売却できるか確認する選択肢もあります。個人ブログを売る前に見る登録先は、サイト売買サービスおすすめ比較で整理しています。
資金繰り相談で最初に分けること
複数の公的・金融窓口を回っても追加融資につながらない時は、「どこで借りるか」だけでなく、いま詰まっている原因を分けて見ます。売掛金の入金待ちなのか、帳簿や税金の整理が先なのか、運営サイトを資金化できるのか、収入を戻す段階なのかで、見る窓口は変わります。
- 売掛金があり、入金前に一時的に詰まっている: 売掛金がある場合の資金繰りと個人事業主向けファクタリング
- 帳簿・請求・税金の整理が崩れている: 個人事業主向け会計ソフト比較 と 確定申告がめんどくさい時の整理
- 運営サイトを現金化できるか見たい: サイト売買サービスおすすめ比較
- 案件獲得へ戻して収入を立て直すなら: 実務3年以上向けフリーランスエージェント確認
- 返せる見込みがない、生活費まで崩れている: 資金調達ではなく、債務相談や生活再建の窓口へ切り替える
結論を急ぐ人へ。売掛金の入金待ちで今月だけ詰まっているなら、窓口を回る前に個人事業主特化のファクタリングで資金化の条件(手数料・必要書類・入金までの日数)だけ先に見ておくと、この後の窓口の話を整理しやすくなります。![]()
個人事業主の資金繰りで詰まった時に見る相談窓口と分岐
まず運転資金を「追加融資」「入金待ち」「支出整理」「資産の現金化」「収入の立て直し」に分けます。売上が落ちた時に、全部を借り入れで埋めようとすると判断が重くなります。今の詰まりが一時的な入金ズレなのか、帳簿や税金の整理不足なのか、事業そのものを縮める段階なのかを先に切り分けます。
①支援金・補助金を確認する
まず、国や地方自治体が出している支援金・補助金の対象に自身が含まれていないか、いまいちど確認してみてください。不況などで支給されるものもありますし、いわゆるデジタル化を推進する目的で経費の一部を支給するものもあります。このほか個人として、コロナ禍以後は「住居確保給付金」の対象にも個人事業主も含まれています(但し審査基準や条件は、離職・廃業した人より厳しいようです)。
窓口に行く前に、固定費・借入・売上見込みを1枚にしておく
支援金や融資の窓口は、困っていると伝えるだけでお金が出る場所ではありません。よろず支援拠点のように無料で経営相談できる窓口もありますが、融資や信用保証を検討する場面では、売上、固定費、借入、税金、売掛金、今後数か月の入金見込みを数字で説明できるかが重要になります。
私も、売上が落ちてから複数の窓口を回った時、頭の中では「とにかく今月が苦しい」でした。ただ、相談を前に進めるには、何にいくら足りないのか、いつ入金があるのか、返済原資をどこから作るのかを紙に出す必要がありました。
- 今月と来月の固定費(家賃、サーバー代、外注費、税金、保険料など)
- 入金予定(売掛金、継続案件、単発案件、広告収益など)
- 既存の借入、返済日、毎月の返済額
- 資金が足りない理由(一時的な入金ズレか、売上低下が続いているのか)
- 借りた場合に、どの売上から返す予定なのか
日本政策金融公庫には月別収支計画書や企業概要書の書式があり、信用保証協会の申込でも確定申告書などの書類が求められます。完璧な計画書を作る必要はありませんが、「数字を見せられる状態」にしておくと、よろず支援拠点、商工会議所、金融機関のどこへ相談する場合でも話が進みやすくなります。
参考: よろず支援拠点 / 日本政策金融公庫 各種書式 / 信用保証のお申込の流れ
②金融機関からの融資を引き出す
続いて、個人事業主として各金融機関からの融資を検討します。候補になるのは、日本政策金融公庫、信用金庫、地方銀行、信用保証協会付き融資などです。ただし、金利や借りやすさは制度・審査・事業状況で変わります。「どこなら借りられるか」だけでなく、売上見込みと返済原資を説明できる状態にしてから相談する方が現実的です。
筆者は創業時とコロナ禍(いわゆる有事)、そして資金が枯渇してからの3つのタイミングに融資を希望したことがありますが、創業時・有事と比べて資金が枯渇してからの融資の難易度は飛躍的に高くなる印象です。その理由は、主に2つです。
- 毎月の安定した収入が確保できていない
- 資金管理がずさんな可能性がある
まず、銀行員の心理として「安定した収入源がある」という事実は我々の想像以上に高く評価されます。ブロガーで言うならば、毎月アフィリエイトの成約実績やGoogle AdSenseの収益が安定して出せている、といったことです。なぜなら、安定した収入によってはじめて事業の見通しが立ち、資金が回転していくからです。仮に安定した収入がなかったら貸し手から見ると、資金が焦げ付くリスクが高まります。よって何よりも、毎月の安定した収入があることが好ましいのです。
次に、支出が多かったり使途不明金が多かったりして収支のバランスを欠いている場合に、マイナスの評価となることがあります。ブロガーで言うと、外注費が収支を圧迫していたり、執筆に掛かった費用として旅費・交通費や雑費が不自然に多く計上されている、などのケースが考えられるでしょう。当然のことですが、いくら売上が多くても資金管理がずさんだと、経費が必要以上にかかってしまい手元に資金が残らなくなります。よって貸し手からすると同じく、貸したお金が返ってこないリスクが高くなるのです。
とにかく資金が枯渇してからの融資は大変です。融資を申し込むタイミングは、なるべく事業が上手くいっているときにしましょう。素人考えでは”事業が上手くいっているときにはお金は不要で、上手くいっていないときにこそお金が必要だ!”、と考えてしまうかもしれませんが、資本主義社会において実態は逆です。”貸し手の視点”に立って考えてみると、この力学が腑に落ちるかもしれません。
いずれにしてもこの記事を読んでいる方はすでに資金繰りに悩んでいる方だと思うので、面談に行く際にはぜひ、上記のポイントを意識されてください。融資が通る可能性が少しでも高くなるかもしれません。
③コストを徹底的に見直す
ブロガーがコストを徹底的に見直すことは極めて重要です。一般的にブログ運営にはコストがほとんどかかっていないと言われますが、例えば次のような状況になっていないでしょうか?
- 外注ライターを起用しており、成果と照らし合わせて大きな報酬を払い続けている
- 自宅兼事務所の家賃が高い
- レンタルサーバーのプランが必要以上に大きい
- 使用していない契約ドメインを放置している
- 記事作成のために契約したサービスのサブスクプランの契約をなんとなく継続している
これらの要素を一つずつ精査していくと、想像以上に無駄が見つかるはずです。
例えば筆者は、ローンチを計画していたデータベースが頓挫したにもかかわらずそれに必要とされていたレンタルサーバーの最大プランを継続しており、これをグレードダウンしたことで月間コストが4000円(年間だと48000円)削減できました。またアフィリエイト記事執筆のために契約したU-NEXTのサブスクプランもほとんど使っていなかったため解約し、月額2189円を削減しました。収支を改善するためには、何より支出を減らすことが肝要です。ぜひ思い切った判断をされてください。
④ブログを売却する
さて、ここからが踏み込んだ内容になります。支援金や融資はある程度の人(フリーランス)が思い付くことですが、ブロガーには何より「ブログ」という資産があり、これを売却して資金に換えることができるのです。筆者もこのことに気づくのにかなりの時間がかかりました。
ブログは専門のM&Aサービスで売却するのがおすすめです。筆者は業界最大手の「ラッコM&A」で計2サイトを売却し、約50万円を手に入れることができました。このおかげで数ヶ月間をしのぐことができ、次の展開を考えることができました。

ブログサイト売却のメリット
- まとまった資金を得られる(相場は12ヶ月~24ヶ月分の売上)
- 運営が行き詰っているサイト運営から離れられる(効率の悪いリソースが手放せる)
- これらによって当面を凌ぐことができ、新しいキャリアを展開することができる
ブログサイト売却のデメリット
- 安定した収入源の一つが失われる
- 契約条件によっては引き継ぎに手間がかかる場合がある
- サイトの譲渡に時間がかかるケースがある
⑤ファクタリングサービスを使う
続いて、来月の支払いなどで直近の資金繰りが厳しい場合を考えると、「ファクタリング」というサービスを使うことが効果的です。ファクタリングとは「債権買取り」という意味で、売掛金(売掛債権)をファクタリング会社に売却して、手数料を引いた現金を得ることができるものです。
近年は、ファクタリングの利用者が増加しています。そのメリットは、負債が増えないことや信用情報に傷がつかないことです。但し利率は、金融機関からの借入より高い傾向があります。
ファクタリングサービスについても別記事で詳しく解説しています。
⑥家族にお金を借りる
続いて、あまり好ましい選択肢ではないかもしれませんが、家族(親族)からお金を借りるというのは選択肢に入れた方がよいかもしれません。なぜなら大半の場合、利息がほとんどかからないからです。利率が高いカードローン・キャッシング・消費者金融を利用するくらいなら家族から借りた方がいい、というのはかなり合理的な発想だと思います。但し一定金額以上の場合、利息が設定されていなかったり返済期間が不明確だったりすると、税務署から贈与とみなされることがあります。そのためこれに該当するケースでは借用書を作っておくようにしましょう。
そしてもちろん、この選択肢を考えるからには、その後の事業収支を改善させたり、兼業や廃業・就職で収入を増やしたりする計算を立てなければなりません。
⑦融資のリスケジューリング(リスケ)をする
すでに借り入れがある場合に筆者がおすすめするのは、金融機関との「リスケジューリング(リスケ)」です。これは、金融機関との間で返済計画を見直すことです。スケジュールが後ろ倒しになる分、利息などで長期で見た場合に返済の負担は増えてしまいますが、信用情報に傷がつかず完済を目指せるという点が、かなりのメリットだと考えます。
⑧職業訓練校に通い、転職する
雇用保険に加入していない「個人事業主」であっても、今後雇用保険に入る(=企業に入社する)意思があれば、求職者支援訓練(いわゆる職業訓練校)に通うことができます。さらに受講期間中は、職業訓練受講給付金(月10万円+交通費及び寄宿する際の費用(ともに所定の額))を貰うことができます。給付金を受けて訓練を受講するためには、フリーランスを廃業しなければなりません。詳しくはお近くのハローワークにお尋ねください。
求職者支援訓練を受講することによって、リスキリングを図ることができます。筆者の自治体にはWEBライティング専門のコースなどはありませんが、”WEBクリエイター”などWEB系のジャンルは、豊富にそろっています。マルチスキルの時代といわれている昨今、別のスキルとライティングが組み合わさると、さらにキャリアの幅を広げることができるかもしれません。
⑨債務整理・自己破産をする
そして最終手段にはなりますが、弁護士・司法書士に相談して債務整理や自己破産を選択することが考えられるでしょう。その場合のおすすめの相談先は、以下の通りです。
- 法テラス(日本司法支援センター)
- 弁護士会や司法書士会の法律相談センター
- 役所などの地方自治体での無料相談
- 無料相談を実施している弁護士事務所
これらの選択のメリットは、返済の負担が圧倒的に減ることです。デメリットは、信用情報に傷がつき、5年から10年ほど借入やローン・クレジットカードの申し込みができなくなること(自己破産だと生活必需品以外の財産を処分されるなどさらに多くの制約が課せられる)などでしょう。
いずれにしても、返済のことで悩んだり困ったりしたら、上記機関などにできるだけ早く相談するようにしましょう。
ブロガーの転職方法・キャリアの広げ方
ここからは、ブロガーが転職する際の方法や、キャリアを広げるためのアプローチについて詳しく解説します。
①現在の自分のスキルを評価する
ブロガーといってもジャンルやスキルが様々なのが実態です。まずこれまでの活動を振り返り、自分の現時点でのスキルセットを客観的に評価してみましょう。
- ライティングスキル
- SEOの知識
- コンテンツマーケティングの経験
- ソーシャルメディア(SNS)マネジメント
- 基本的なウェブデザインやHTML/CSSの知識
- 分析ツールの使用経験(GA4など)
これらは様々な職種で活かすことができます。
②関連する職種を探る
続いて世の中にはどのようなキャリアの選択肢が広がっているかを見てみましょう。ブロガーと特に親和性が高いと思われる職種は以下の通りです。
- コンテンツライター
- SEOスペシャリスト
- SNS運営者
- コピーライター
- シナリオライター
- 校正・編集者
- インタビュアー
- 文字起こし
- WEBマーケター
③ポートフォリオの作成
ブロガーとしての実績は、転職活動の際に評価されることがあります。ポートフォリオとして整理しておくことが望ましいでしょう。
- 最も成功した記事やキャンペーンをまとめる
- 具体的な成果(PV数、エンゲージメント率など)を数値で示す
- 得意やライティングスタイルや多様なトピックの例を含める
- 可能であれば、クライアントの推薦文を加える
IT/Web系の実務経験があるなら、会社員転職だけでなくフリーランス案件も見ておく
ポートフォリオを整理したら、次は「どんな案件に出せるか」を確認しておくと、転職・独立・副業の判断材料が増えます。joinはIT/Web系経験者向けのフリーランスエージェントです。
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【最後に】ブロガーをやめる必要はない!とにかく収入を増やすことを考える
最後に、「ブロガーをやめる必要はない」ということについて述べておきます。
実は、ブロガーを続けることは思いのほか簡単です。なぜならブロガーは資格による身分ではなく、単に「ブログを運営している人」という定義だからです。つまり、ブログを続ける限り、あなたはブロガーであり続けることができます。
ブロガーを続けることには多くの利点があります。
- ほぼゼロコストで継続できる:ブログの運営自体にはほとんど費用がかかりません。ゆえにローリスクです。
- 副業として柔軟に対応可能:会社員をしながら、あるいは他の仕事と並行してブログを続けることができます。
- スキルの維持と成長:定期的に記事を書くことで、ライティングスキルを維持・向上させることができます。
- 収入源の多様化:たとえ副業だったとしても、あなたの総収入を押し上げてくれる可能性があります。
- 自己表現の場:自分の考えや経験を共有する場として活用できます。本業とシナジーを生むかもしれません。
専業ブロガーから他の職業に移行する場合でも、ブログを完全にやめる必要はありません。新しい仕事の経験をブログのコンテンツに活かすこともできるでしょう。
もちろん、会社の就業規則で副業が禁止されている、など特別な事情があるかもしれません。しかし多くの場合、ブロガーを「やめる」というよりも、その活動の頻度や内容を調整するだけで十分でしょう。
結論として、ブロガーをやめる必要は基本的にありません。むしろ、あなたの生活や新しい経験に合わせてブロガーとしてのスタイルを最適化させていくことをお勧めします。
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